電気ストーブと遠赤外線ヒーターは、どちらも手軽に使える暖房器具として選ばれやすい存在です。ただし、暖まり方の仕組みや消費電力、電気代のかかり方には明確な違いがあります。見た目や価格だけで選ぶと、使い始めてから「思っていたのと違った」と感じるケースも少なくありません。
それぞれの特徴や向いている使い方を整理し、どのような家庭に適しているのかを分かりやすくまとめています。あわせて、堺市で使用した場合を想定した電気代シミュレーションも掲載しています。
電気ストーブとは?仕組みと特徴
電気ストーブとは、電気エネルギーを熱に変換する「発熱体」を内蔵した暖房器具の総称です。主に石英管ヒーターやハロゲンヒーターなどがこれに該当し、スイッチを入れた瞬間から熱を放出し始める「即暖性」が最大の魅力。
構造がシンプルなため、比較的安価で軽量な製品が多く、脱衣所やトイレといった狭いスペースで一時的に使用するスポット暖房として広く普及しています。
暖め方の特徴
電気ストーブは、放射熱によって当たっている範囲を素早く暖める、スポット向けの暖房器具です。
- 高温になった発熱体から放射される「放射熱(輻射熱)」で、人や物を直接暖める仕組み
- 温風を出さないため、ホコリが舞い上がりにくく、空気が乾燥しにくい
- 暖かさが届く範囲はヒーター正面の近距離に限られる
- 周囲の空気を暖める力は弱く、広い部屋全体の暖房には不向き
- 朝の着替え時や帰宅直後など、短時間で体を暖めたい場面に適している
遠赤外線ヒーターとは?仕組みと特徴
遠赤外線ヒーターとは、電熱線にセラミックやカーボンなどの素材をコーティングし、人体に吸収されやすい「遠赤外線」を強力に放出する暖房器具です。カーボンヒーターやシーズヒーターが代表的。
目に見える光(可視光)を抑え、熱エネルギーを効率よく放射するよう設計されており、電気ストーブの一種でありながら、より「質の高い暖かさ」を追求した上位互換の立ち位置として人気を集めています。
暖め方の特徴
遠赤外線ヒーターは、体の内側までじんわり暖まり、暖かさが持続しやすい暖房器具です。
- 遠赤外線が人体の分子を振るわせる「共鳴動作」により、表面だけでなく体の芯から暖める仕組み
- スイッチを切った後も暖かさが残りやすく、冷えを感じやすい人に向いている
- 一般的な電気ストーブより熱の直進性が強く、やや離れた位置でも暖かさを感じやすい
- シーズヒーターなどは立ち上がりに数十秒から数分かかる場合がある
- 暖まりきった後は、日向ぼっこのような柔らかく奥行きのある暖かさが続く
徹底比較|電気代・コスト・使い方・メリット・デメリット

以下は、堺市(大阪府)で使用した場合を想定した電気代シミュレーションです。
消費電力と電力量単価のみで算出し、基本料金や燃料費調整額などは含めていません。
従量電灯A(電力量単価:25円/kWh)
出力を400W(0.4kW)に設定したとき
- 1時間:0.4kWh × 25円 = 10円
- 8時間:3.2kWh × 25円 = 80円
- 12時間:4.8kWh × 25円 = 120円
出力を800W(0.8kW)に設定したとき
- 1時間:0.8kWh × 25円 = 20円
- 8時間:6.4kWh × 25円 = 160円
- 12時間:9.6kWh × 25円 = 240円
従量電灯B(電力量単価:21円/kWh)
出力を400W(0.4kW)に設定したとき
- 1時間:0.4kWh × 21円 = 8.4円
- 8時間:3.2kWh × 21円 = 67.2円
- 12時間:4.8kWh × 21円 = 100.8円
出力を800W(0.8kW)に設定したとき
- 1時間:0.8kWh × 21円 = 16.8円
- 8時間:6.4kWh × 21円 = 134.4円
- 12時間:9.6kWh × 21円 = 201.6円
補足
- 消費電力が2倍になると電気代もほぼ2倍になります
- 短時間利用では差が小さく見えても、8時間以上の連続使用で差が明確になります
- 局所暖房・補助暖房向けか、長時間使用かで選び方が変わります
小型暖房のメリット・デメリット
電気ストーブは、安価で即座に熱が届くため「今すぐ暖まりたい」瞬間のストレスを解消します。一方、遠赤外線ヒーターは体の芯まで熱を浸透させ、冷えにくい体を作る「質の高い休息」を提供します。広範囲の暖房には不向きで電気代も高めですが、乾燥や埃を抑えつつ、シーンに合わせた「時短」と「深い温もり」を使い分けられます。
電気ストーブ
「短時間・近距離・すぐ暖めたい」シーンに最適です。
アイリスオーヤマなどの軽量モデルを選べば、必要な場所にサッと持ち運べて便利です。熱源が非常に熱くなるため、カーテンや衣類からは必ず1m以上離して設置しましょう。
おすすめの場所
- 脱衣所やトイレ:滞在時間が短く、瞬時に暖かさが欲しい場所
- キッチンの足元: 朝の冷え込む時間帯だけ、ピンポイントで冷えを防ぎたい時
メリット
- 初期費用が安い製品が多く、導入しやすい
- スイッチを入れるとすぐに暖かくなるため、帰宅直後などに便利
- 軽量・コンパクトなモデルが多く、持ち運びが簡単
デメリット
- 広い部屋全体を暖めるのは苦手で、暖まる範囲が限定的
- 長時間使用すると電気代がかさむ傾向にある
- スイッチを切るとすぐに冷えてしまう
遠赤外線ヒーター
「長時間・リラックス・冷えを解消したい」シーンに最適です。
ダイキンなどが推奨するように、窓を背にして置くと外からの冷気を遮断でき、より効率的に暖かさを感じられます。首振り機能付きを選べば、体の一部だけが熱くなりすぎるのを防ぎ、快適さが持続します。
おすすめの場所
- デスクワークの足元:遠赤外線がじっくり芯まで温めるため、足先もポカポカ
- リビングのソファ横:エアコンで部屋が温まるまでのアシスト暖房
メリット
- 体の芯から暖まる感覚があり、暖かさが持続しやすい
- 燃焼を伴わないため、空気を汚さず、換気の必要がない
- 温風を出さないため、肌や喉の乾燥が気になる方におすすめ
デメリット
- 部屋全体の空間を暖めるのは苦手
- 製品によっては立ち上がりが遅い場合がある(シーズヒーターなど)
- 製品自体の価格が比較的高めな場合がある。
結論|どちらを選ぶべき?
管理人の薫子なお、今回のシミュレーションで算出した月間使用量約96kWhを、2026年2月分の関西電力の電気料金単価に当てはめると、暖房にかかる電気代は従量電灯Aで約2,324円となります。



一方、従量電灯Bの場合は約2,157円が目安です。同じ使用量であっても契約プランによって月200円前後の差が生じるため、暖房の使い方だけでなく、電気料金プランの確認も電気代管理の重要なポイントといえます。
すぐに暖まりたい場所や、一時的な局所暖房が必要な場合は、電気ストーブがおすすめです。
体の冷えが気になる方や、乾燥を避けたい方、パーソナルな空間でじっくり暖まりたい場合は、遠赤外線ヒーターが適しています。
使用場所やライフスタイルに合わせて、最適な暖房器具を選びましょう。エアコンなどの主暖房と併用することで、より効率的に暖まる方法も検討してみてください。




